改善の努力で悪化を緩和できる

フレイルとは、心身が虚弱状態となり要介護状態に陥る前段階を指します。
フレイルは加齢とともに顕著になりますが、決して不可逆的ではなく、改善の努力により悪化を緩和することが可能です。

まず、最も簡単な方法として、食事の栄養バランスを再考しなければなりません。
特に、筋力の弱りがちな高齢者は、筋肉を組成するタンパク質の摂取が欠かせません。
タンパク質を摂取することにより、アミノ酸の血中濃度が上がり、筋肉量を維持できるでしょう。
高齢になると、消化の悪い肉の摂取量が減って、タンパク質が不足しがちですから、積極的にタンパク質を摂らせる工夫が欠かせません。
これは、男女の別なく必要な予防策です。

次に、体操やリハビリなど、適度な身体活動が必要です。
特に、負荷の小さいウォーキングなどを、ゆっくり時間をかけて行う有酸素運動が有効でしょう。
筋肉は、鍛えていないと衰えてしまうので、高齢者であっても男女の別なく自分に合った筋トレを行うことが重要です。
高齢者も、適量の筋トレをすれば、日常生活に必要な筋肉を維持できます。

さらに、他者とのコミュニケーションが不可欠と言えるでしょう。
高齢者は孤立して他者との交流の機会が減ると、言語を駆使して説明したり説得したりする機能が低下してしまいます。
自宅に閉じこもりがちな生活を改め、社会参加して他者と交流する機会を増やさなければなりません。
地域社会では、介護予防教室などが開催されており、こうした機会を利用してコミュニケーション能力を維持する努力が求められます。